抄録
2014年10月に打ち上げられた「ひまわり8号」は,従来より大幅な観測機能の向上が図られた次世代静止気象衛星である.地球全体を10分,日本付近においては2.5分間隔で観測を行い,地球表面温度の日変化を詳細に監視することが出来る.一方,1999年12月に打ち上げられた米国地球観測衛星TERRAに搭載されたセンサASTERは15年にわたる観測実績および検証実験の成果から地表面温度情報に補正するアルゴリズムを確立し,処理したプロダクトを提供している.
「ひまわり8号」が観測する温度情報は大気の影響を受けたもので,従来機においても地球表面温度を推定するため種々補正手法が開発されている.簡単な手法としては,近接した観測波長帯域の観測値から大気の影響を推定し補正するスプリットウィンドウ法が知られている.本研究は同時刻に観測されたASTERデータを参照して「ひまわり8号」データにおける本手法の有効性について検証したもので,得られる地表面温度分布や日変化等は都市の熱環境調査へ応用が期待できる.