抄録
鉄道事業における建設工事プロジェクトでは,情報交換に時間と労力がかかるという課題がある.特に工事施工段階では,構造物の品質管理を目的とした検査およびそれに伴うデータの集約に多くの時間を費やしており,それらの効率化が求められる.そこで,計画段階で構造物に付与したIDに建設ライフサイクルを通して生成される構造物の情報を連携させて蓄積・活用していく仕組みを築き,効率的な情報の管理を目指した.現場の品質管理業務において検証を行った結果,検査およびその後のデータの管理が効率的になることを示し,また,自動認識技術により,構造物の情報を現場で瞬時に利用できること,建設ライフサイクルのプロセス段階を跨いだ情報の連携へと繋がることを示した.