抄録
道路利用者は道路の変化が地図やカーナビに速やかに反映されることを望んでいる.そのため地図製作者は供用開始・開通(道路変化イベント)を早期に漏れなく全国から収集しなければならない.他方,道路管理者は道路の供用開始や区域の決定・変更の際には道路法に基づく公示を行い,道路工事の発注者は公共工事の適正な執行のために工事の情報を管理し,一部を公表している.これら行政の情報を道路変化イベントの把握に利用できれば,情報収集の効率化,迅速確実な地図更新が期待できる.本研究では道路変化イベントに関係する情報を関連づける手法を提案し,これを用いて実態を調査した.調査を踏まえ,工事から開通を予測し,その可能性を評価した.また,情報を可視化する統合的システムを構築し,情報の流通を促進させる試みを行っている.