抄録
社会資本維持管理効率化のため,施設情報や点検履歴等の情報をデータベース化し,そこで蓄積した情報を利活用する事が求められている.その様な情報から劣化予測モデルを構築する事が可能であるが,個々の単位区間に対する精度の高い劣化予測は,観測不可能な変数が相互に影響しているため難しい.一方で,不確実な予測であっても予測が収まる範囲を推定する事が出来れば,管理者の意思決定により役立てる事が期待できる.本研究はニューラルネットワークを用いた劣化予測モデルに対してブートストラップ法を効率的に適用する事で,計算量を大幅に抑えて信頼区間と予測区間の推定を可能にする手法を提案した.提案手法を舗装表面の点検データである路面性状調査履歴のわだち掘れ深さに適用し,予測区間の推定精度を検証した.