抄録
UAV による空撮写真から高精度な3次元形状データを得るためには,(1)標定点の配置と個数,(2)写真の地上分解能,(3)隣り合う写真の重複度等が重要である.筆者らは,現場での作業性をさらに向上させるために前記のうち(1)を取り上げ,標定点数を減じることが可能な「自動追尾型TSを用いたUAVにより3次元モデルを作成する手法」に着目した.この手法はTSによる測距および測角の技術や写真測量の技術および各センサの同期技術を組み合わせたものであり,性能実証実験の結果,3次元形状データの精度50mmを満足できることが分かった.この手法は,i-Constructionにおける起工測量や出来形測量ばかりではなく,大規模土砂災害の被災エリアの規模判定等にも適用が可能であることが確認できた.