2019 年 75 巻 2 号 p. II_105-II_113
我が国では,i-Constructionを契機として,レーザスキャナやカメラ等の計測機器により取得した三次元データの利活用場面が拡大している.道路空間の計測にはMMSが利用されてきたが,MMSは,衛星測位が困難な場所や車両が進入できない場所の計測に適さない.そのため,橋梁下部,山間部や屋内でも利用可能な可搬型レーザスキャナが注目されている.しかし,それらの製品は,各種センサの設置角度や精度等が異なる上に,データ処理のアルゴリズムが公開されていないため,精度低下の要因分析等に限界がある.そこで,本研究では,既存製品を調査し,それらの特性や利用上の留意点を踏まえた上で,試作機による計測実験を行い,構造物の三次元データ計測に最適な可搬型レーザスキャナを設計する.