2019 年 75 巻 2 号 p. II_97-II_104
近年,我が国では,高齢運転者が第一当事者となる交通事故が深刻な社会問題となっている.高齢運転者による交通事故は,加齢に伴う身体機能の低下によって起こることが多い.自動化運転の実現は,この問題を解決する可能性を秘めているが,市街地道路での導入はまだ先であると考えられる.つまり,運転者による運転操作は当分無くならず,事故を未然に防ぐ予防安全の技術開発が重要である.
本研究では,高齢運転者が交差点内で運転の誤操作による交通事故が多いことから交差点内での異常運転を検知する手法を提案する.車内にスマートフォンを取り付け,加速度や操舵角速度などの車両特性を観測した.観測した車両特性にOne Class Support Vector Machine(OCSVM)を適用することで,個々の運転者ごとに異常運転をしているかを検知する識別モデルが構築できることを示唆した.