2019 年 75 巻 2 号 p. I_87-I_93
老朽化が進む桟橋上部工下面の効率的な調査のため,カメラを搭載した無線操作式ボートが利用されている.これにより撮影した画像群に対するSfM/MVS処理により,3D高密度モデルも取得可能となった.本論文では,3Dモデルの点検業務の様々なプロセスでの有効活用のため,テクスチャ付き3D簡略モデルへと自動変換する手法の開発を目的とする.簡略モデルとは,構造物を構成するスラブ,梁,杭頭といった各部材の平面領域を高精度抽出し,平面同士を接続することで得られる3Dモデルである.また領域ごとにその境界線を利用して高解像度オルソ画像も作成し,これを簡略モデルにマップする.これによりオルソ画像上でひび割れ等の劣化を検出し,これを簡略モデルと合わせて管理することも可能となる.様々な実験よりその有効性を検証する.