2020 年 76 巻 1 号 p. 53-62
鋼橋に生じる疲労損傷の適切な維持管理を行うためには,活荷重により生じるひずみ応答を計測することは重要である.しかしながら,多くのひずみ計測システムは,有線式のシステムとなっているため,現場における施工性に課題を抱えており,その無線化が期待されている.さらに,長距離の無線計測技術は,橋梁の外へ計測データを転送することを可能にし,構造物の常時モニタリングに有用な技術となる.
本研究では,長距離の無線通信が可能なLoRa®無線モジュールを用いた無線ひずみ計測システムを製作し,供用中の鋼箱桁橋にて計測したデータを橋梁の外にデータ転送することによって,その実用性を検証した.計測結果より,LoRaを活用することによって,鋼箱桁橋内のデータを約130m離れた箇所にて取得可能であることが示された.