2020 年 76 巻 1 号 p. 74-86
本文では,道路構造物の維持管理の効率化に向けた,技術者の視線データを用いた類似点検データの検索手法を提案する.提案手法では,点検時に記録された変状画像に対する技術者の視線データ及び点検データのそれぞれから算出される特徴量に対して,正準相関分析を行う.これにより,相関が最大となる新たな特徴量への変換を行う射影を推定することで,技術者の視線を考慮した点検データ間の類似度の算出が可能となる.さらに,推定した射影を用いることで,視線データが取得されない場合においても,視線データを考慮した特徴の算出が可能となる.以上より,入力される点検データに対し,過去の類似事例を提示可能となるため,変状評価業務の効率化が期待できる.本文の最後では,実際のデータを用いた実験を行い,その有効性を確認する.