2021 年 77 巻 1 号 p. 39-48
地下利用が進展し,都市の路面下に上下水道,電気,ガス,通信などの埋設管が増えるにつれて,これらの埋設管が設計施工上の障害となることが多くなってきている.掘削を行わずに埋設管の埋設位置を計測する技術として地中レーダが広く用いられているが,現状地中レーダによる探査結果は目視によって分析されており,分析時間と分析精度が問題視されている.そこで本研究では,ディープラーニングの一種であるYOLOv3とU-Netによって,地中レーダによって取得されたデータから自動的に埋設管の位置を推定する手法を構築するとともに,交差検証により精度を確認した.本手法は,将来的に長距離にわたる地中レーダ探査によって得られる膨大な量のデータを分析することを可能とし,埋設管の非掘削での埋設位置情報の構築に資することができる.