2021 年 77 巻 2 号 p. I_114-I_123
就業中の作業姿勢の悪化は筋骨格系障害を始めとする労働災害の要因となるため,作業姿勢の定量的な評価を通じて姿勢の改善につなげる必要がある.既往研究では,機械式モーションキャプチャシステムが用いられているが,それらの機器は現場導入時のコスト増大が懸念される.そこで本研究では,建設現場での利用が開始されているヘルメット装着型端末を利用することで,コストの課題に配慮した上で,LSTM(Long Short-Term Memory)を用いた姿勢推定手法を提案する.また,検証実験では,OWAS(Ovako Working Posture Analyzing System)法による姿勢評価に対して,提案手法を適用することにより,鉄筋工作業員の身体負荷が大きい姿勢を再現率80%以上で推定できることを確認した.