2021 年 77 巻 2 号 p. I_124-I_130
近年,現場作業において普及が進むタブレット端末に搭載されているカメラと手書き入力機能に注目し,タブレットで作業者が手書きでメモをした内容を現場でAR(Augmented Reality)表示することで,効果的な情報共有を可能にすることを目的とする.作業者が現場で手書きした作業内容とともに,背景のカメラ画像の自然特徴点を登録しておくことでマーカレスARを実施する.従来のマーカレスARでは,平面上の画像特徴点を使うため表示可能な観察角度の範囲が限定的であったが,本研究では,SfM(Structure from Motion)を基に立体的に自然特徴点を登録することにより,AR表示可能な観察範囲を拡大させた.コンクリート構造物を対象として実験において確認した提案手法のAR表示性能について報告する.