2022 年 78 巻 2 号 p. I_131-I_140
我が国では,道路や河川などの社会基盤の維持管理や自動運転のための高精度3次元地図の生成にMMSが用いられている.ただし,MMSは非常に高価であるため,全国の地方公共団体が利用することは難しい.筆者らは,市販の安価なセンサ機器を組み合わせて車両搭載型センシングユニットを開発し,その実用可能性を検証してきた.その結果,両側に高架橋や高層ビルがある環境下ではGNSSのFix解を得ることができないため,SLAMによる車両の自己位置の推定を検討した.ただし,植生が計測データの中に含まれる場合に推定精度が低下する課題があった.そこで,本研究では,自己位置推定精度の誤差の要因を調査し,その誤差の要因を取り除くことで点群データを補正する手法を提案する.そして,実証実験により提案手法の有用性を確認した.