2022 年 78 巻 2 号 p. I_141-I_149
我が国は,台風や地震などの自然災害が多発することから,道路や河川などにおける社会資本の網羅的な維持管理が期待されている.道路分野では,発災直後の道路土工構造物の倒壊による避難経路の断絶を未然に防止する必要がある.こうした背景の下,道路の機能への影響が著しい高盛土や長大切土法面といった特定道路土工構造物の特定土工点検の実施が義務付けられている.しかし,全ての道路法面の正確な位置や詳細な現況を管理,把握できているとは言えず,特定道路土工構造物の適切な管理が不十分な課題がある.そこで,本研究では,MMSや航空レーザ測量によるLPデータの点群データと道路の線形を用いて,道路法面の点群データを自動で抽出する手法を提案した.そして,検証実験により,提案手法の実現場への適用可能性があることを明らかにした.