抄録
本論文は,建設生産における施工プロジェクトについて,工期の遅延やコスト増加を引き起こす資機材納入や回答の調達管理の課題を整理し,計画工程と実施工程の差異が調達活動と同期されていないことを明らかにした.その後,調達管理と工程管理を同期させた管理手法を整理し,事例企業への試行を通じて,管理手法の具現化に必要な条件を述べ,事例企業を例に管理手順を構築し適用した.適用前後を比較することで,調達活動が工程管理と同期できていることを確認し,本管理手法の有効性を検証した.さらに,本管理手法が調達遅れによるプロジェクトの遅延防止のみならず,更なる工期短縮,ならびにコスト削減にも期待できることを示した.