抄録
総合評価方式は、1998年に導入されて以来、国、地方公共団体において多く導入されてきている。また、近年、技術力を重視した評価が行われるようになってきたが、技術的工夫の余地の大きい高度技術提案型は、その適用件数が極めて少ない。そこで、本研究においては、2006年度から2010年度までに国土交通省において高度技術提案型を適用した工事を対象に、技術審査結果等を分析し、技術競争優位とは言っても限定的であることや、技術提案のテーマ設定が標準型と大きく変わるものではないこと、費やす時間や労力の割には効果が少ないなどの課題を抽出した。その上で、技術評価においては、得点差の出やすい技術提案の設定、「高度な技術提案」に相応しいテーマ等の設定、「企画競争方式」(コンペ方式)の導入などの改善案の提案を行ったものである。