抄録
本研究はこれまで筆者らが実施してきた住民参加型入札の実験を踏まえて,参加業者の負担軽減を図るための実施方法や評価法の変更などを行い, 新たな工事の入札での実験結果を分析したものである.実験に当たっては, 住民が当事者意識を持ち, 内容を理解しやすい身近な公共工事として, 市街地の国道の線形改良工事を選定し, 住民参加型入札により落札者を決定した. これまで行ってこなかった工事施工中及び施工後の参加住民へのアンケートを行った結果, 回答者の多くが住民参加型入札が工事施工に際して良い効果を与えたと答え,工事に対する意識に係わる住民参加型入札の効果を明らかにすることができた.