抄録
本研究では,災害初期の啓開に大きな影響を及ぼすと考えられる被災地の地元建設業者の建設重機数に着目し,災害初期の建設重機を用いたがれき撤去における地域間連携の有効性をマルチエージェントシミュレーターを用い検討した.対象地域を静岡県に設定し,予想される東海地震を対象に静岡県全域での災害初期の啓開における地域間での重機の共有体制の有無が啓開作業時間に与える影響をシミュレートした.その結果,地域間で連携を行った場合,連携が無い場合に比べ,各市町での作業時間を,最大で92%短縮できる事が示唆された.