抄録
地方公共団体における総合評価方式は、2001年に東京都で導入されて以来、現在では、全ての都道府県及び政令市で実施されているが、その実施状況は詳らかでない。そこで、本研究においては、近畿地方の地方公共団体の7府県及び4政令市の総合評価方式を対象に、具体的な内容を比較、分析し、総合評価方式の実施率が伸び悩んでいること、総合評価方式の適用範囲が限定的であること、技術競争を有効に行うための制度設計が不十分であることなどの課題を抽出した。また、これらの分析結果に基づき、一般競争入札への原則総合評価方式の適用、特別簡易型を中心とした評価方法への転換、技術競争の有効性を高める制度への改善等の改善案について提案を行ったものである。