抄録
本研究では,床版かぶりコンクリートの剥離・剥落発生過程を数え上げ過程としてモデル化する.その際, 剥離・剥落事象が,時間に依存せずランダムに発生する場合(ランダム事象)と,床版の劣化とともに時間に依存して発生する場合(劣化事象)に分類されるものと考える.具体的には,定常的な剥離・剥落発生過程を斉次ポアソンモデルで,時間に非定常な剥離・剥落過程を到着率が時間変動する非斉次ポアソンモデルを用いて定式化する.その上で,両者の発生過程が混合して観測されるような混合ポアソン劣化モデルを定式化する.最後に,実際の高速道路へ適用することで提案したモデルの有効性を実証的に検証する.