抄録
本研究は、地域防災力の観点から見た、災害時の対応に必要不可欠な建設機械の必要量及び存在量を地域毎に明確にし、その確保のための方策について研究するものである.既存研究においては、一般論としての地域防災力の低下や、地方の建設業衰退による建設機械、技術者の不足は指摘されているが、地域的に、かつ具体的数量を踏まえた研究は殆どなされていないのが実情である.とりわけ、建設機械台数の地域毎における現状把握やあり方の検討が急務とされている.
一方で、九州地方においては、全国でも最も自然災害の脅威が大きく、過疎地域における高齢化の進展、市町村合併等による過疎地域での公共サービス密度の低下等により、中山間地域等、地方部での災害に対する脆弱性が高まっている.このような状況の中で、地域防災力の向上が求められている.
そこで、本研究では、九州地方における地域毎の災害発生時の復旧活動に必要となる建設機械の賦存量(復旧資機材の供給可能量)を把握するために、建設機械器具リース・レンタル企業149社を対象としてアンケート調査を実施した.その結果、地域毎の賦存量の実態把握が可能となり、建設機械の地理的偏在が明らかとなった.また、これに起因する問題点ならびに今後の取り組むべき課題について整理した.