2014 年 70 巻 4 号 p. I_13-I_25
公共事業は,良質な生活空間や,自然災害に対して安心・安全な国土の構築に大きく寄与している.ところが近年,公共事業に対するネガティブなイメージが流布され,公共事業に対する批判的な雰囲気の中で,国民の支持が得られにくい状況に追い込まれ,事業の遅延や中止,予算削減に直面している.そこで本研究では,そうしたネガティブイメージの是正に資することを目的とし,「公共事業」とそれに関連する様々な言葉に対して人々が抱くイメージについてのパネル調査を,2012年6月から半年毎に4回行い,イメージ変化に影響を及ぼす要因として,人々の認識変化やメディア接触,実際の新聞報道などの影響について分析,考察を行った.その結果,人々の公共事業を巡るイメージ変化に対しては,新聞の報道量が影響している可能性や,人々の政治に対する評価との関連を示唆する結果が得られた.