2015 年 71 巻 4 号 p. I_149-I_156
公共工事の入札時における予定価格の設定や工事の実行予算の策定,工事実施中におけるコスト管理などに用いられる建設資材価格等について,毎月実施する定期調査間のタイムラグによる影響の抑制や,応札者における取引先等との実勢価格の妥当性を評価するために,定量的な分析を行い物価変動によるリスクに対応した客観的かつ精度の高い資材価格等の予測モデルの構築を行った.
分析は予測価格を目的変数とし,今月の価格,前月から今月の価格変動率,実績価格との乖離率から求めた次月の市況気配を説明変数とする重回帰分析を行った.分析結果の評価方法は,予測値の実績値に対する相対誤差により評価した.その結果,過去の価格情報を使用して算出された価格と比較することで検証を行ったところ,精度の高い予測モデル構築手法を考案することができた.