2017 年 73 巻 4 号 p. I_55-I_63
少子高齢化にともなう熟練作業員の離職や若年層への技術伝達不足,及び今後急速に増加するインフラ施設の老朽化は,建設業界において早急に対策を立てなければならない課題である. 国土交通省により提唱されたCIMやi-Constructionは,このような問題を解決すべく,3次元モデルをツールとして,建設現場の生産性の向上や構造物のライフサイクルにわたる維持管理・点検を実施するものであり,建設生産システムの大きな変化を主導するものである.
本稿は,CIMやi-Constructionの方針に基づき,3次元モデルを計画段階から,測量,施工管理,さらに維持管理に活用できるツールとして用いている3事例を示し,施工規模や内容に適した3次元モデルの作成手法を説明するとともに,建設生産プロセスにおける有効な活用方法や導入効果について検討を行うものである.