新水事業は,2007年から約4年をかけて実施された事業である.当該地区は各主要交通の重要なクロスポイントであり,複数の事業による工事が同時並行で行われる複雑な事業であった.
さらに,九州新幹線全線開通を2011年3月までに完成させる必要性も重なり,かつ円滑な施工計画・実施には発注者間の横断的な調整が必須であった.
本論では,新水事業において二層の協議システムが特に有用であった2つの事例について,本研究室が担った役割を考察した.その結果,今回のような事業を成功させるには,データを含めた事業全体をマネジメントする役割を果たす存在が重要であると確認できた.
これを踏まえ,事業をマネジメントするために必要不可欠な存在(チーム)の在り方を提唱し,そのチームを構成する3要素について考察する.
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