2017 年 73 巻 4 号 p. I_88-I_99
「公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律」の施行以降,国土交通省では多様な入札契約方式の導入・活用を促進し,新しい入札契約方式が導入されつつある.多様な入札契約方式の1つであるECI方式について,すでに導入されている建築工事案件についてヒアリングを実施し,その事例分析を行った.その結果,ECI方式導入において入札不調回避を目的としている自治体が多いこと,施工者の技術の取り入れ,工期短縮に関して期待以上の効果があったこと,設計の不具合発見や施工上の課題を反映することで変更事項が減少すると期待できることが分かった.また,課題として,プロポーザル時に競争性が働く環境を整えるのが重要であること,協働作業時において発注者のリーダーシップが重要であることが分かった.