2021 年 77 巻 1 号 p. 215-227
建設コンサルタントの設計成果品に関する多くのエラーへの対策として,国土交通省では詳細設計における赤黄チェックの義務化,建設コンサルタンツ協会では,照査・チェックリストの強化等を実施しているが,全設計エラーの解消までには至っていない.また,照査要領にしたがって人間が照査するのは,大きな負担となっている.本論文では,設計エラーの確実な解消と照査効率向上による生産性向上のため3次元モデルを活用した設計照査システムのプロトタイプとして道路の幾何構造に関するエラー解消に資するシステム開発を行い,その有効性を確認した.また,開発に先立ち,道路設計の成果品に関するエラー185事例を分析し,3次元モデルの活用により,概ねすべてのエラーが解消可能であることを確認した.