2022 年 78 巻 2 号 p. I_131-I_149
わが国では「空き家問題」が深刻になりつつある.その解決策として,前面道路や隣接地を巻き込んだ整備を行うことにより,接道状況や区画形状の改善を図る「小規模連鎖型区画再編事業」が注目されている.
本研究では,小規模連鎖型区画再編事業のモデル化を行い,建て替え対象となる宅地とその順番を決定する事業団体(ランドバンク)の最適戦略と,補助金や税制に関する施策を決定する自治体の最適な政策を求めた.分析の結果,個別具体的なケースにおいて求められたランドバンクの最適な戦略と自治体が行うべき最適な政策は,必ずしもそれぞれの利得の総和を最大にする全体最適なものとは一致しないことを示し,ランドバンクの最適な戦略が実現可能になるための条件を明らかにした.