抄録
本研究は,夫,妻,子の3人から構成される核家族世帯を対象として,世帯の構成員による時間及び費用の配分行動をモデル化するものである.モデル化にあたっては,世帯の資源配分を,構成員の所得および時間を制約条件とする世帯効用関数の最大化によって定式化している.ここで,世帯効用関数としては,世帯構成員の効用の重み付け線形関数を用いている.次に,東京都とその近郊および富山市内の小学生を子に持つ世帯を対象として世帯構成員のダイアリー活動調査を実施し,世帯構成員の時間および費用の配分の実態を把握した.そして,このデータをもとに,モデルの推定を行った.その結果,核家族の構成員の効用特性が明らかとなるとともに,東京と富山との分析結果の比較により両都市間の世帯行動特性の共通点と違いを考察した.