2006 年 62 巻 3 号 p. 430-439
道路計画の策定などを中心に,PIの重要性は広く認識され,実施事例も多くなっている.しかしながら,PIの効果を事後に検証したり,PI参加者の立場から評価したりしているものは極めて少ない.本研究は,国道8号加賀道路を事例に,PIに参加した市民等への事後アンケート調査により,市民参加の水準とPIの満足度,計画の認知度や満足度などとの関連分析を行い,PI参加者の参加水準の要因と影響を把握し,PIを実施する上での留意点を明らかにすることを目的とする.PIを実施するにあたっては,参加者の特性を踏まえた運用や,プロセスの妥当性の確保,市民との信頼関係の構築と,より地域に密着した情報提供や参加する立場に応じたコミュニケーション手法の採用が求められることを示した.