2013 年 23 巻 p. 61-66
近年,駅ビルや駅に隣接する場所に新たな公共空間として 「 駅ナカ広場 」 の設置が見られる。本研究は,駅ナカ広場の事例として,大阪ステーションシティ 「 時空の広場 」を取り上げ,停留・滞留行動をとる利用者が選ぶ位置を調査し,人の行動を想定した公共空間形成のための計画条件を示すことを最終目的としている。 その結果,利用者の停留・滞留行動と空間条件との関係として,(1)停留行動は空間における固有の特性と関連しており,発生位置が特定可能であること(2)滞留行動は比較的広範囲で発生することが明らかになった。 また,グループの行動に注目すると,一定時間空間を占有する滞留行動は,時刻やグループ数に関係なく,互いの距離を一定に保つように発生するのに対して,突発的かつ短時間で空間占有が解消する停留行動は,互いの距離を意識することなく,不規則に発生していることが明らかになった。