抄録
本研究では,個々の道路利用者は,日々変動する交通状況下にて,ベイズ学習に基づいた経路選択を行うと仮定し,交通ネットワークフローのday-to-dayダイナミクスモデルを構築する.本モデルにより,ベイズ学習による経路選択では最小旅行時間となった回数が最も多い経路を日々選択するという単純なものとなることを示す.そして,そのモデルの均衡点がワードロップ均衡であること,さらに,個々の道路利用者の初期のばらつきが十分に大きい場合,ワードロップ均衡は大域的漸近安定で,十分に時間が経過するとその均衡に収束することを示す.