抄録
阪神高速道路8号京都線稲荷山トンネル山科坑口部は坑口を出てから交差点までの距離が約140mと短く,トンネル内を走行した車両が十分に減速できない可能性があることが危惧されていた.その解決策として,従来は建築等の分野で緊張感緩和等のために採用されているシークエンスデザインを,交通安全対策の手法として利用することを発案し,シークエンスデザインが運転者に与える影響についてアンケート等を通じて検討を行い,トンネルへの応用方法について検討した.そしてCG動画を用いた室内実験や完成後の実車実験により,検討したシークエンスデザインによる速度抑制効果を定量的に検証した.