土木学会論文集D
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和文論文
最適な商業集積水準と交通施設整備の便益評価-複数財一括購入と独占的価格競争を考慮して-
河野 達仁光谷 友樹岸 昭雄能登谷 浩路
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2010 年 66 巻 2 号 p. 125-136

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抄録

 近年,わが国の地方都市では郊外の大規模商業立地による都心商業の郊外化(都心空洞化)が問題視されている.都心空洞化が経済効率の観点から問題になるのは,市場の失敗が存在する場合に限られる.本研究は,複数財一括購入により発生するショッピングの外部性(商業集積により一度のトリップで様々な財が購入できること)および商業施設間の独占的価格競争をモデル化することによって,これらの特徴により生じる技術的外部性の特徴,市場均衡と社会最適点との比較,および交通施設整備による商圏変化と社会厚生の変化,の三点について分析する.その結果,技術的外部性発生のメカニズム,都心および郊外の商業施設の商圏の過大・過小の関係,ならびに交通施設整備便益の評価手法が示される.

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© 2010 社団法人 土木学会
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