土木学会論文集D
Online ISSN : 1880-6058
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和文論文
単一中心都市における住宅地の開発・再開発および撤退の空間的立地パターン
河野 達仁宮原 史織田澤 利守
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2010 年 66 巻 2 号 p. 279-289

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抄録

 近年,多くの先進国は人口減少社会を迎えている.人口減少に転じた社会においては,古い住宅地が再開発されたり,次々と撤退していく都市が存在すると考えられる.本研究は開放型の単一中心都市において住宅地の開発・建て替え・撤退の動学モデルを構築し,住宅地の空間的立地パターンの変遷を明らかにする.主な分析結果として,建て替え時に,地代が十分に高い(低い)場合,CBD付近の住宅が郊外の住宅地よりも小さい(大きい)ロットサイズに建て替えられることを示す.また,撤退時には,CBDに比べて郊外の住宅のロットサイズの方が大きい一般的な都市において,単位距離あたり通勤費用が小さく,かつ現存の住宅のロットサイズがある閾値を下回る場合には,住宅地はCBDから郊外に向かって農地(放置を含む)に転換されることを示す.

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© 2010 社団法人 土木学会
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