抄録
本研究では,マクロ交通流モデルを用いた確率的交通容量の推計法を提案する.さらに,確率的交通容量の交通量配分モデルへの適用を目的とし,リンクパフォーマンス関数のパラメータ推計法も提案する. 特に,積雪寒冷地においては,冬期の移動時間信頼性評価の重要性は高い.そのため,冬期の気象状況, 道路・路面管理作業を考慮した確率的交通容量の推計法も併せて提案する.これらの推計法の適用例として,交通流観測データから,実際に夏期と冬期の確率的交通容量を推計した結果を示す.最後に,確率的交通容量が道路ネットワーク上の移動時間に与える影響を調べるため,筆者らが開発した交通量配分モデルを適用して得られた解析結果を示す.