土木学会論文集E
Online ISSN : 1880-6066
ISSN-L : 1880-6066
和文論文
車両熱のモデリングと乾燥路面温度への影響評価
藤本 明宏渡邊 洋福原 輝幸
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 63 巻 2 号 p. 250-261

詳細
抄録

 本研究では,車両熱を構成するタイヤ摩擦熱,車両底面輻射熱および車両誘発顕熱を室内および野外実験により定量的に評価し,定式化した.これを基に,車両熱フラックスの時間変化を考慮した瞬間モデルと,実用的見地からその熱フラックスを時間均等配分する時間平均モデルを提案し,両者の比較を行なうとともに,乾燥路面温度に及ぼす車両熱の影響を検討した.
 その結果,両モデルから計算された路面温度は最大で0.2℃の差が生じた.また,タイヤ通過部の路面温度は,非走行部のそれと比較して,早朝で0.3℃高く,昼間で3.4℃低くなった.これにより,交通量が多いときには車両熱は路面の熱収支にとって無視し難い因子に成り得ることが示された.

著者関連情報
© 2007 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top