土木学会論文集E
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和文論文
鉄筋コンクリート梁の腐食形態と腐食量が曲げ性状に及ぼす影響
花岡 大伸矢野 真義宮里 心一
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2007 年 63 巻 2 号 p. 300-312

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抄録

 本研究では,塩害により劣化した鉄筋コンクリート梁の腐食が曲げ性状に及ぼす影響を明らかにした.そのため,腐食形態(局部腐食,全面腐食)が異なる供試体を用い,鉄筋の腐食減量が5~60%における,鉄筋の力学性状および梁の曲げ性状を評価した.その結果,1)腐食量が増加すると,腐食形態に拘らず,梁の降伏荷重,曲げ剛性,および終局荷重は低下した.2)局部腐食では腐食減量が約40%の場合,一方全面腐食では腐食減量が約60%の場合,それぞれ終局荷重が約50%に低下した.また,局部腐食では,終局時に急激な破壊に至り,極めて危険な状態になることが示唆された.3)腐食減量が約30%以上になると,腐食形態に拘らず,降伏荷重および曲げ剛性が著しく低下し,変形量が増加した.4)上記1)の結果は,理論的にも検証された.

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© 2007 社団法人 土木学会
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