2008 年 64 巻 4 号 p. 650-667
石炭火力発電所から発生する石炭灰の有効活用のため,フライアッシュI種を吹付けコンクリートの混和材として使用し,吹付け時の粉じんを低減し作業環境の改善を図る研究を行なってきた.その結果,フライアッシュI種を細骨材置換で使用することにより,ベースコンクリートの単位水量が減少し,材料分離抵抗性が向上することを確認した.また,模擬トンネルと実トンネルで行った吹付け試験により,フライアッシュI種を標準で100kg/m3細骨材置換して使用することにより,吹付け時の粉じんとリバウンド量が低減し良好な施工がなされるとともに,吹付けコンクリートの強度発現が,初期材齢から長期材齢にわたって良好に向上することを確認した.