抄録
空港アスファルト舗装の点検診断技術の高度化を目指して舗装体内部の残留水を検知するために,試験舗装を新たに構築し,光ファイバ水分検知センサによるモニタリングと電磁波レーダによる探査を試みた.その結果,試験舗装内部の排水性アスファルト混合物層における残留水発生および排水に伴う残留水消失に対して,埋設した光ファイバ水分検知センサは良好な応答を示した.また舗装表面から電磁波を送信させ,舗装内部からの反射波を受信して反射時間を算出したところ,残留水の存在により平均して反射時間が約10%増加した.コンクリート床板のように電磁波の反射面として着目すべき層の境界が明確に存在する場合,反射時間が選定し易く,電磁波レーダ探査による残留水検知は有望であると考えられる.