2010 年 66 巻 2 号 p. 193-206
本研究では,離散化した合成短繊維,マトリクスおよび両者の界面をモデル化した3次元メゾスケール解析手法を開発し,2種類のひずみ硬化型モルタルの引張破壊解析を実施した.短繊維,マトリクスおよび両者の界面に適切な材料パラメータを導入することで,比較的容易に引張試験時の応答が解析できることを明らかにした.さらに,マトリクス強度,破壊エネルギー,繊維の分布に関するパラメトリック解析により,擬似ひずみ硬化挙動や複数微細ひび割れの形成メカニズムに関する考察を行うとともに,高精度化の可能性を示した.