2017 年 73 巻 1 号 p. 34-42
ICT利用と共同実験による複数校型のPBLを提案した.本PBLの設計には,課題に環境と先端性を取り入れ,加えていくつかの設計項目に事前に行った実務者の課題解決過程の調査結果を取り入れた.本PBLの序盤のWeb会議形式の打合せでは,終盤の共同実験より,人と関係する力が育成できることが示唆された.Web会議形式の打合せは,学生,教員ともに特有の要点があったとしていたが,具体的に特定できなかった.教員が評価した班ごとの実験手法の習得の達成度は,達成できた・やや達成で100%であった.本PBLは,実験手法の習得に有効であった.実験手法の役割・用途の理解の達成度は,未達成の割合があった.本PBLは,一度の遠征を入れた授業や短期研修として運営可能であり,人と関係する力等の新しい教育効果と高い実現性を期待できる.