2022 年 78 巻 1 号 p. 1-9
頻発激甚化する自然災害による被害を低減するためには住民自らが常日頃から災害渋滞時の避難行動を学習し,適切な避難経路を考える必要がある.本研究では,災害時に生じる渋滞を考慮した避難経路を学習できる「防災すごろく」のアプリケーション(アプリ)を開発した.本アプリではランダムな出発点から避難所に向かう間に豪雨,火災,渋滞の発生に伴う避難方法や避難経路の変更を学ぶことができる.また,ゲーム性を考慮し,グループ同士で得点を競うことや防災クイズを実施することで学習意欲の向上を図った.更に,災害疑似体験ならびにゲームに対する慣れを軽減するためにVRコンテンツを用いた災害表現を行っている.本アプリによる防災教育を行い,アンケートを実施した.その結果,本アプリの学習効果が示されると共に課題も明らかになった.