抄録
中国では,高度な経済成長と環境保全の両立を実現するため,国内企業によるグリーンサプライチェーンマネジメント(GSCM)の推進が重要な課題となっている.本研究では,中国・瀋陽市における機械装備製造業,自動車製造業,化学産業の3業種を対象としたアンケート調査の結果に基づき,因子分析及び一次元分散分析を用いて,産業別のGSCM実施程度の違いを明らかにした.その結果,中国企業のGSCM実施が依然初期段階にとどまっていることが示され,産業別では,機械装備や化学(国内政策による推進)と比べ,自動車製造業(国際的市場競争による促進)のGSCM実施が進んでいることが明らかとなった.そのうえで,異なる産業における政策立案者や企業にGSCM実施の推進条件を示した.