抄録
変電所緑地に繁茂したイネ科多年草(チガヤとメリケンカルカヤ)をノシバの生育に影響を与えずに除草剤によって防除するために,温室での薬害発現試験およびワグネルポットによる殺草効果試験を実施し,アシュラムとトリフロキシスルフロンナトリウム塩の混合液がイネ科多年草を地上部から地下茎まで枯死に至らせることが確認できた.変電所緑地(ノシバ)の中でチガヤが繁茂している箇所に圃場を設け,アシュラムとトリフロキシスルフロンナトリウム塩の混合液を撒布した.1回の散布では除草剤成分がチガヤの体内を移行できなかったため生き残った地下茎からチガヤが萌芽し生育したが,年に2回撒布すると翌年のチガヤの発生はほとんど抑えられた.高い防除効果を発現した2種類の除草剤混用の除草剤間に働く相互作用の機構について推論した.