土木学会論文集G(環境)
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和文論文
複断面開水路における流量変化と魚の行動に関する実験的研究
青木 宗之瀬崎 薫貴福井 吉孝
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2013 年 69 巻 4 号 p. 166-182

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抄録

 本研究の目的は,流量(流速)の増減に対する魚の行動を明確にすることである.同時に,杭水制が魚の避難場になり得るかについても着目した.そこで,杭水制を設置した複断面開水路を用いて模型実験を行った.流速急増時,43.3(%)の魚が壁際や杭水制内へ退避した.杭水制内に退避した魚はその場に留まることができ,杭水制を避難場として利用した.一方,壁際に退避した魚は流れに押し流された.また,流速急増時に遡上する魚もいるが,減衰時での復帰遡上のほうが多かった.なお,高水敷に杭水制がある場合,乱れが(-pv`w`)増大し二次流が発達した.そのため,河岸浸食や河床洗掘が懸念される.さらに,高水敷に乗る魚の総個体数が多くなり,減水後,魚は高水敷に取り残されることが示唆された.

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© 2013 公益社団法人 土木学会
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