2014 年 70 巻 6 号 p. II_291-II_296
本研究では,不確実性を有する将来の地区需要に対して供給能力とのバランスを踏まえて,減径可能な水道管路の抽出及び時期の把握を行い,ダウンサイジングの可能性を評価できる手法を提案する.まず,人口減少下にある将来地区需要の不確実性に対して,時系列水量データから得られる標準偏差をもとに水量分布を把握する.この分布に対して,モンテカルロ法を適用して水理計算を行い,地区需要と水理特性との関係をモデル化する.さらに,地区需要の分布に対する減径後の管路流量や有効水頭の分布を推計し,ダウンサイジングの可能性を判定する.その判定結果を視覚的に捉えることにより,水理的視点による管路システムとしての減径時期の把握及び減径管路の抽出を可能とする.