2014 年 70 巻 6 号 p. II_33-II_43
低炭素で持続可能な都市・地域を実現するためには,資源・エネルギー循環のシステムの効率向上が不可欠となる.したがって,都市・地域を構成する各地区における資源・エネルギーの消費量を削減する一方で,都市・地域の特性を考慮した環境負荷の少ない方法で資源とエネルギーを供給するシステムを構築する必要がある.そのためには,長期的観点からエネルギー・資源循環に適した都市・地域の産業構造・空間構造へと誘導できる可能性も考慮して,関連する多岐にわたる施策について検討し,地域特性を考慮して適切に組み合わせる必要がある.以上の観点に基づき,本研究では,資源・エネルギーに関する施策影響の定性的関係を整理した上で評価モデルを開発し,長期的観点から地域特性に応じた資源・エネルギー循環システムをデザインするアプローチを提案する.