抄録
福島第一原子力発電所事故以降,公園内湖沼の放射性セシウムが利用者等に及ぼす影響が懸念されている。本研究は底質や水生植物の放射性セシウムの分布特性とそれらの規定要因を明らかにするため福島県の公園内湖沼の調査を行い,以下の知見を得た。1)2013年と2014年では底質表層平均Cs-137濃度は共に約3kBq/kgで有意差はない。2)底質表層Cs-137濃度は,Si含量と負の相関,K含量と正の相関がみられた。3)底質Cs-137濃度の鉛直分布は表層で高いが,地点により最大値を示す深さは異なる。4)水生植物表面の付着物由来のCs-137濃度は全体(植物体+付着物)の33~80%を占める。5)底質から水生植物(植物体のみ)へのCs-137移行係数は0.03~0.18であり,陸上の植物と同程度である。